馬鹿げてる?
2006年 10月 02日
今朝からの仕事。広告業界で有名な企業の広告をデザインし、印刷のデータを作っていく仕事はやりがいがあると思う。しかも、ちゃんと家族を養う給料ももらえて。毎日、せわしなく、地下鉄に揺られて、子供達が寝静まった時間にしかかえれないとしても。
ただ、昨日、僕が吸っていた空気とは、あまりにもギャップがある。いのちは昨日の様には躍動していない。
会社員になる前、船の中で出会ったアメリカ人のジャズマンは、「電車に詰め込まれ、人に雇われて夜中まで毎日働かされる毎日なんて、馬鹿げてる!」と言った。彼は日本にずっと住んでいて、あまりに画一的な日本の労働者のありかたに、アンバランスを感じていたのだろう。その発言はすぐに隣に座っていた奥さんに注意されていたが、僕の胸には突き刺さった。
その言葉を受け取ってから2ヶ月後、まさに彼が「馬鹿げてる」と言った生活が始まった。
ビジュアルアートの完成度という点でも学ぶことの多い今の仕事は、決して馬鹿げてるとは思わない。
しかし、昨日のような場にいくと、よりフルタイムアーティストに近い生活をしている人にも出会い、またかつてそうあろうとしていた自分にも出会う。なにより、ニューギニアの文化的価値を代弁する自分というあまり他にやる人のいない活動を思いだしてしまう。
そういうとき、「馬鹿げてる!」という、言葉があたまによぎってしまう。しかし、そう喝破したとこで、新たな生活が見えてくるわけでもない。
もっと、命が燃えて輝いて、それが人を喜ばせ、力が明るく広がっていくように働きたい。そんな仕事につながっていきたい。
しかし今、出来ないことは出来ない。
違う道を思って出来ることまで、やらないようにするよりは、出来ることを、今はしよう。
馬鹿げていたとしても。
by toktokpng
| 2006-10-02 23:26