「らうん」とは僕がかつて暮らしたパプアの言葉で「旅する・ぶらぶらする」という意味です。光を描く画家、八坂圭が日々を見つめ、愛し、感じた事を福岡からつづっています。


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国立博物館

朝四時に起きて制作時間を確保する。
子どもが寝てる間が静かで集中できる。

とはいえ、繰り返しの作業とか、考えてばっかりの時間というのは良い作品を作る上ではとても危険。とくにそれこそが産みの苦しみで価値ある事だとか思い始めるとよくない。

そこで、昼からぷらっと上野にいってみる。
なにをやってるかも調べずに、なにか面白い企画展があれば見てみよう、なければ法隆寺宝物館を見に行くだけで充分。という気持ちで出かける。

たまたま、国立博物館で「悠久の美」と題された、中国国立博物館名品展をやっていたので、いってみる。
5000年以上も前の青銅器や土器。また兵馬俑や唐三彩などが陳列されていた。なかでも古代のものに目を見張った。以前みた三星堆などのような異形の造形が他にも色々ある事を知った。入ってすぐにあった文様を施された壷などは、文様がトロブリアンドの様式とまったくそっくりで、他にも古代の中国に見られる渦巻き文様はニューギニアに残る文様と酷似したものが多かった。日本も含めて環太平洋圏におおきな文化の広がりがあったのではないかという視点がさらに強まった。
今回一番印象に残ったのは、「玉龍」というもの。顔も手も足もなく、胎児の様な形をした玉石のオブジェクト。やはり5000年をくだらないほど古代のもので「龍」の原型ではないかといわれているものらしい。とても強い気を放っているように感じた。

後半のものは紀元一世紀のものですら、近代と変わらないように見えた。古代中国のものは物質と霊が融和している印象があるが、時代がくだると、物質面の技術や派手さが目について、霊性は阻害されている感じも受けた。

さて、宝物館。
いつ見てもこの建物は美しい。そして一階の展示室は何よりも神々しい。
30センチ程度の大きさの仏像が50体以上、とてもバランスのいい展示台とガラスケースのなかにそれぞれ鎮座している。一体一体が重要文化財だったり国宝だったりする。ここにいると、清々しい気持ちになる。何度か訪れていると、お気に入りの一体等が見つかってくる。

仏像以外の宝物もすてきだ。中国の古代造形に感じたような霊性を、6世紀、7世紀の日本の造形からも感じられる。ミニマリズムといってしまえばそれだけなのだけれど、智・情・意が合致した無駄のない造形とでもいうものがそこにはある。

気分良く帰宅して、また制作。
今日は、僕の描く画面も、いつもより大きく窓を開けそうだ。
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by toktokpng | 2007-01-14 22:38 | 創作