「らうん」とは僕がかつて暮らしたパプアの言葉で「旅する・ぶらぶらする」という意味です。光を描く画家、八坂圭が日々を見つめ、愛し、感じた事を福岡からつづっています。


by toktokpng
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

「薔薇十字会の神智学」より その2

みなさんこんにちは。

さて、今日の一節です。

「一見奇妙なことですが、薔薇十字の叡智は霊視能力を通してのみ見いだされるものでありながら、通常の悟性によって理解できるということです。」

昨日の日記において、人間の肉体が、人間存在の一部分でしかないこと、また、その広がりの中で、肉体存在がどのような位置を占めるのかを知るときに、まるで虹の本質を体験するような感覚を覚えるであろう事が示唆されました。

その日記のコメントにおいて、幾人からか虹の本質の体験という事にレスポンスがありました。

「虹—スペクトラム」という事について、シュタイナーに関わる二つの事を思い出します。

一つは、色彩についての講義のなかで、シュタイナーが語った以下の事です。

手許にその書物がないので、覚え書きとなります。

「ゲーテは、当時新しく提唱されたニュートン卿の色彩についての理論を知り、さっそく自分でも試してみようと思い、プリズムを手に入れました。彼は窓から差し込む光を分光器にあて、その先に見えるであろう虹を観察しようとしました。しかし、そこには何もなかったのです。そこには、別れた色ではなく、ただ全体としての光がありました。この体験から、ゲーテは独自の色彩論を展開するきっかけを得たのです。」

昨日の日記のコメント欄に少し書きましたが、ゲーテはニュートン卿と同じ同胞団に属していたと考えられますが、その秘教的な叡智をニュートン卿とは別の形でヨーロッパ文明に影響させる必要を感じたとも言えます。

この、ゲーテの方向は後にホリスティックな学問が西洋文明の中に形成されていく上で、重要な衝動となっていったように思えます。

さて、もう一つの挿話です。

これは、伝聞の形で残されたものを、僕もどこかで読んで、その光景が頭に焼き付いている一場面です。

シュタイナーは後半生とても忙しく講演活動を行い、睡眠時間は一日3時間ほどだったとも言われています。定かではない伝聞では、彼はまわりの人に対し、
「ああ、今日は3時間も寝る事を必要としてしまった。正しくは睡眠はもっと短い時間ですむはずなのに」
というような内容のことを漏らしていたとも。
そのような生活の中、シュタイナーは妻であるマリー・シュタイナーと過ごす数少ない時間のなか、蝋燭の光に分光器をかざし、そこから得られる虹の色を指し示しながら、光の本質や、人間存在の多重性や広がりについて、熱っぽく語っていたという事です。

その蝋燭の時間のいかに詩的であったことか、シュタイナーを信頼し耳を傾けるマリー・シュタイナーの愛情とともに美しい光景として目の前に浮かんでくるようです。

このように、虹をどう捉えるかという点において、二つの意識の働きがそこに見いだされるように思います。

感覚をひらき、霊性に根ざして存在にむきあったとき、分析し理解する必要のないエネルギーの総体として何かを感得できるとします。

例えば僕が木々や花たちに心を開いたとき、木々や花がおおくの物語を語りだし、今、ここで、銀杏の若葉が萌えいずることから愛を感じるとすれば、それはシュタイナーの言うような霊視に近い存在の感得の仕方かもしれません。

一方で、本日の一節にあるように、そのようなエネルギー存在のあり方が事実であるからこそ、「悟性によって演繹され理解できる」事でもあるのです。

シュタイナーは行き過ぎた「悟性」と、行き過ぎた「感性」の両方の中間に位置する「意識」という事をとても大事にしました。

現在の人間社会は多分に悟性にかたよったルートを選んでいます。

そのアンバランスさから、一方で、霊的な事実については感覚的に述べられることが多くなっています。

しかし、どちらにも偏らず、事実を事実として認識する道によって、唯物性を超えた事実をどこまでも高く獲得する事ができる。

この事が、シュタイナーの生涯を通じての態度でした。

虹を分解し、観察する態度。それを常に全体へと還元し、そのダイナミズムをこそ認識する事。

そのような視点が、われわれの日常生活を豊かにし、見過ごしてしまいがちな世界からのサインを受け取れるようにしてくれる道を切り開くようでもあります。

虹の七色ということで、シュタイナーが概観した人間の7分説をご紹介して、今日は終わりにします。

くれぐれも、これらが連続性をもって存在しているという視点を失わないよう。

これらをみようとして、人間の前にプリズムを置いたとき、あなたもきっとゲーテのように、

「そこには、七つに分かれたものは何もない、ただ愛という光が存在しているだけではないか!」

と、言うのでしょうから。


人間の七つの構成要素

1. 肉体

2. エーテル体 もしくは 生命体

3. 感覚魂がはまりこんでいるアストラル体(または魂体)

4. 自我

5. 意識魂と一つになった霊我(マナスとも呼ぶ)

6. 生命霊(ブッディとも呼ぶ)

7. 霊人(アートマン)


すこし、小難しい言い方をするのもシュタイナーの特徴です。

それは、僕の気質にもあってるので、大好きなのですが、言ってる事はシンプルなのです。

今日も長文の日記につきあってくださった皆様、心より感謝いたします。

ありがとうございました。
[PR]
by toktokpng | 2008-04-22 18:07 | 創作