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「らうん」とは僕がかつて暮らしたパプアの言葉で「旅する・ぶらぶらする」という意味です。光を描く画家、八坂圭が日々を見つめ、愛し、感じた事を福岡からつづっています。


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野ぼたん

保育園に朝子供たちを連れて行くとき、通りがかりに野ぼたんが咲いている。

もうかれこれ、ひと月くらい咲いているように思う。

濃い青紫が、逞しく、垣根に色を添える。

母とその事を話す。「うちにも昔あったのよね。とっても丈夫で、雑草みたいにつよいけど、葉の形も雑草のようでね、庭木としては今ひとつかも。」

たしかに、逞しすぎるきらいはあるかもしれない。

野ぼたん_d0023742_2031127.jpg


でも、とっても立派な花の形と、茎にかかる少しの赤みは、とても装飾的だ。この花が名前のごとく山の低地で野の中にあれば、野暮な草花たちのなかで異彩をはなつ艶やかさだろう。

山に登り、辺りを散策して、汗をかき、裾野に下りてこの花に出迎えられたら、美しい精霊にねぎらわれたように感じるだろう。

住宅地の垣根では、彼女の舞台に足りないのかもしれない。

「私をあるべき場所におくもの。」

そんな言葉がきこえてきた。

玄関先の鉢植えに、ハロウィンの人形をみつけてよろこぶ娘。カボチャの形の陶器のランタンに火をつけたがる息子。保育園の帰り道はもうすっかり暗くなっている。どこで覚えたのか「ハロウィンのお菓子は?」と道すがらねだる子供たち。付き合いのある方達が、今年自分に縁のある田んぼから穫れたお米を持ってきてくれたり。

花が移り変わり、収穫祭をむかえて、秋が深まっていく。


野ぼたん_d0023742_2022616.jpg



「受け入れるもの」

受け入れるもの

あなたの宇宙

わたしの宇宙

奇跡のように

指でふれあう




子供も、挨拶だけの知人たちも、花も雲も、耳に聞こえない音楽を奏でている。それぞれの周りに楕円の境界をもちながら。
僕が呼吸をして、その境界に振動を響かせるように、それと呼応する存在が宇宙に満ちて行く。そのようにして、激情を過ぎ去り、愛は淡々と僕らを満たす。

新たな地平は、いつも、目の前に。完全な調和として用意されている。

今日、またこうやって日記を読んでくださった皆さんとともに、静かに響きあう今を。

愛しています。

ありがとう。


Much Love.


Kei
by toktokpng | 2008-10-22 20:03 | 日常