時間の横顔 21,22
2009年 06月 04日
さっきまで夢の中にいた。
何万年か前の大地で、僕はしわくちゃだった。
「人はどこからきて、どこへ行くのか。この問いは私たちのルーツ。」
僕は繰り返しそういっていた。
人は母なる胎内から来て、土へと帰っていくのは明白だった。その様子を老人は目の当たりにしてきた。その創造と帰還の物語に自分自身、何度も関わってきたのに、その地上の帰結だけでは、不十分だと言わんばかりにしわくちゃの僕は静かに空を見て問うていた。
人はどこからきて、どこへ行くのか。
今僕は目が覚めて、夜明けの窓辺で、光が空に増していくのを見ている。
しわくちゃの老人ではない、メガネをかけた、三十半ばの男性だ。
僕らは「問い」から生まれて、「輝き」へと至る「途上」そのものだ。
愛がこの宇宙にみちているかぎり、その途上は全て光りに至る。
切り取られた時間の横顔を、朝の一杯の水のなかに映し込み、ありがとうと語りかけてそれを飲む。
しわくちゃの老人も、この窓辺を夢で見ただろうか。
東京は晴れていますか?
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「四大」 文・絵 八坂圭
by toktokpng
| 2009-06-04 06:39
| 創作