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「らうん」とは僕がかつて暮らしたパプアの言葉で「旅する・ぶらぶらする」という意味です。光を描く画家、八坂圭が日々を見つめ、愛し、感じた事を福岡からつづっています。


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最近映画 〜WALL・E〜

今日は「WALL・E」を見てきました。子供たちと一緒だったので吹き替え版。でも、ほとんど台詞のない映画だったので、どちらで見ても印象は変わらないと思います。

ああ、楽しかった。一言で言えばそう言う感じです。

今、一部の地球人たちの顕在意識のコンセンサスになりつつある、とある物語があります。宇宙にはいろんな文明があり、さまざまな進化の段階にある存在たちが学びつづけており、地球はそのような文明から「関与」されたというものです。さらにその関与において、外からつたえられた「特殊な知識」をひろく活かそうとせず、独占する意識がこの地上にあったといいます。その一部がさらにひねくれて、闇のような意識なってしまったと。その闇に慣れ親しんだ意識体が、肉体をもつ人々に影響を継続的にあたえ、世界の趨勢に影響を与えつづけているという物語です。その闇に慣れ親しんだ仲間達は、今、地球をとりまくエネルギーの変化により、生きづらくなりつつ、最後の奮闘をかさね、成果があがることもあれば、思惑が外れたりもしていると言います。彼らは、地球から抜け出したともいわれ、地球を一部の人たちの楽園にしようとしているとも言います。彼らの得意な手法は、人々を「考えず・感じず・意図しない」存在へと導くことだと言われていました。

このような物語に、なにか意味があるのかどうかは、於いておきましょう。

今日の映画はしかし、そのような「物語」が形を変えてベースになっています。29世紀、ゴミだらけになった地球に、人は住んでいません。そこに一体のロボットが働いています。彼の名は「ウォーリー」。ゴミ処理ロボットです。彼は700年間淡々と働き、ゴミの中から自分だけの宝物をあつめては、「家」に飾ります。そんな彼の夢は恋をして女の子と手をつなぐこと。心優しい「ウォーリー」はビデオテープから流れるダンスや映画の恋のシーンに胸をときめかせます。そこへ、最新式のロボットが宇宙から飛んできます。名前は「イブ」。破壊光線でなんでも溶かすコワモテの彼女。しかしウォーリーは初めてあった女の子に、一目惚れしてしまいます。さて、彼の恋の行方やいかに。

イブは、地球を脱出して宇宙を航海しつづけるおそろしく巨大な宇宙船からやってきました。そこでは、意識も体も退化した人間たちがゆりかごのような生活をおくっています。

さて、これ以上内容には踏み込みませんが、いくつもの細かいシーンに、冒頭に述べたような「物語」へ捧げられたような皮肉や賛美がみられ、かつ、とてもリズミカルで明るく、批判的な感じはせず、友好的で、愛に溢れています。

エンドロールでも、宇宙存在の地球文明へのかかわり仮説でよく言及される事柄へのオマージュがあり、さらにエンディングテーマをあのピーター・ガブリエルが歌っていました!超感激!

描くべき物は、純真な心の開き結ばれる一瞬の衝動だ。

これはあらゆる物語に言えることだと思います。それが男同士でも、子供と大人でも、死者と生きてる人でも、男と女でも、物と人でも、なんでもいいとおもいます。

この宇宙に満ちる普遍の愛に、われわれが同調するには、真実の愛を示されるだけで十分なのです。

子供たちは二人とも、とても楽しかった様です。二人幼児がいるので、途中おしっこタイムの危険性がたかく、おしっこ要員として僕の父も一緒にいったのですが、彼は寝てましたね。

笑える設定、細かく質のいいエピソードの数々、台詞をつかわず子供にも筋を納得させるだけの構成力、本当に職人わざの集まりでした。

冒頭の「物語」で「闇の仲間達」といわれるような存在のことをほのめかしている映画のようにも見えるし、彼らのしようとしていることをあざ笑っているかのようにも見えるし、それらを超えて、人類の希望を「まけるもんか」と提唱しているようにも見える。

複雑なスタンスの映画だなあと思いました。

に、したって、きっと、スタンスがなんだろうと着想がなんだろうと、誠意をもって、職人がこつこつ映画をつくったら、こんな愛を描いてしまった。そう言うことなのではないでしょうか。


僕らも、自分たちが作り出した物語を生きる一介の魂です。近視眼的に惑星地球だの太陽系だの天の川銀河だのと考えなくても、実際宇宙は無限で輝きに満ちた進化を営々とつづけています。そのなかで、いろいろな存在たちがそれぞれのかけがえのないステップを踏んでいる。くるくる同じとこをまわったり、たまに飛躍したりしながら。

そんな当たり前のことを、思い出させてくれる、とってもピュアな映画でした。

「ファインディング・ニモ」の監督最新作。この冬のおすすめです。


今夜もいい夢を。

ありがとうございました。
by toktokpng | 2008-12-07 22:23 | 映画